
【産業用ロボット】オフラインティーチングは専用のソフトウェアを使用!実践方法と委託先の選び方
生産性向上や人手不足解消の鍵となる産業用ロボット。その導入に欠かせないのが、ロボットティーチングです。特にオフラインティーチングは実機を停止することなく、専用のソフトウェアを用いてPC上でロボットの動作をシミュレーションして、プログラムを作成・検証できるため、生産効率の向上に大きく貢献します。
オフラインティーチングを効果的に行うため、場合によっては外部委託をご検討ください。
こちらでは、オフラインティーチングの実践方法、ロボットティーチングの委託先の選び方をご紹介します。
オフラインティーチングの実践方法

オフラインティーチングの実践方法は、以下のとおりです。
1.3Dモデルの作成と配置
まず、ロボット、周辺機器、作業対象物などの3DモデルをCADソフトウェアなどで作成します。ロボットメーカーは多くの場合、自社製品の3Dモデルを提供しています。これらのモデルを仮想空間上に配置し、実際の生産ラインを再現します。
正確な3Dモデルを使用することで、干渉チェックや作業範囲の確認をより正確に行うことが可能です。
2.ロボット動作のプログラミング
次に、専用のソフトウェアを用いてロボットの動作をプログラミングします。ロボットの移動経路、動作速度、ツールの動作などを指定し、一連の作業の流れを作成します。この際、ワークへの到達可能性や周辺機器との干渉などをシミュレーションで確認し、問題があれば修正します。
3.プログラムの検証と修正
作成したプログラムをシミュレーション上で実行し、動作を検証します。ロボットの動作範囲、サイクルタイム、各軸の負荷などを確認し、必要に応じてプログラムを修正します。シミュレーションによって、実機での試運転時に発生する可能性のある問題を事前に洗い出し、対策を立てることができます。
また、この段階で複数の動作パターンを比較検討し、最適な動作プログラムを選択することも可能です。より効率的なプログラムを作成することで、タクトタイムの短縮やエネルギー消費の削減にもつながります。
4.プログラムの実機転送
シミュレーションで検証が完了したら、作成したプログラムを実機のロボットコントローラに転送します。オフラインティーチングソフトウェアによっては、直接転送できる機能が備わっています。転送後、実機で最終的な動作確認を行い、必要に応じて微調整を行います。微調整では、ロボットの動作位置や速度、タイミングなどを細かく調整し、最適な動作を実現します。
オフラインティーチングによって、実機を停止させることなくティーチング作業を進めることができるため、生産ラインのダウンタイムを最小限に抑えられます。また、事前に動作検証を行うことで実機でのトラブル発生リスクを低減し、立ち上げ時間を短縮できます。さらに、ティーチング作業の効率化と標準化にも貢献し、生産性向上につながります。
ロボットティーチングを外部委託するメリット
ロボットティーチングを外部の専門業者に委託することで、さまざまなメリットが得られます。
専門スキルを活用できる
ロボットティーチングは、正確な動作設定と生産効率を左右する重要な工程です。外部の専門業者に委託すれば、豊富な経験と高度な技術を持つエンジニアが対応するため、自社内での学習コストやミスのリスクを大きく減らすことができます。
また、複数メーカーや機種に対応可能な業者であれば、今後の機種追加や変更にも柔軟に対応できます。
時間とリソースを節約
自社でティーチングを行うには、専門知識を持つ人材の確保と育成が必要です。しかし、外注すれば即戦力の技術者を短期間で確保できるため、ライン立ち上げや生産開始までの時間を短縮できます。
これにより、社員は本来の業務に集中でき、全体の業務効率も向上します。
品質の安定と再現性
経験豊富な外注先によるティーチングは、動作の安定性や再現性の高さにも直結します。特に高精度な作業が求められる工程では、外部のプロフェッショナルに依頼することで、品質トラブルのリスクを未然に防げます。
さらに、過去の実績やノウハウを持つ業者なら、類似案件からの最適なプログラム設計も可能です。
立ち上げ後のサポートも安心
外注先によっては、稼働後の微調整やトラブル対応、再ティーチングなど、アフターサポートを手厚く提供している場合もあります。一時的な委託だけでなく、継続的な技術パートナーとして信頼できる業者を選べば、今後の工程変更や追加設備にもスムーズに対応できるでしょう。
ロボットティーチングを依頼する前に社内で準備しておくこと
ロボットティーチングを外注する際は、依頼前に社内での準備がスムーズな進行につながります。外注先に正確な情報を伝えることで、作業の精度や効率が向上します。
・作業内容の整理:ロボットに覚えさせたい工程や動作を明確にしておく
・現場の環境把握:ロボットが稼働する場所や周囲設備の情報をまとめておく
・優先順位の決定:安全対策や効率改善など、特に重視するポイントを社内で共有
・社内担当者の割り当て:外注先と円滑に連絡・確認を行える担当者を決める
事前準備を行うことで、外注先との認識のズレを防ぎ、短期間でのティーチング完了が可能になります。これにより、生産ラインの立ち上げもスムーズになり、効率的な導入が実現します。
ロボットティーチングの委託先の選び方

自社でのティーチングが難しい場合は、外部委託をご検討ください。ロボットティーチングを外部委託する場合、適切な委託先を選ぶことがプロジェクトの成功に不可欠です。
こちらでは、ロボットティーチングの委託先の選び方を解説します。
専門性と実績
委託先がロボットシステム、特にティーチング作業に関して十分な専門知識と経験を持っているかを確認しましょう。例えば、特定の産業分野(自動車、電子機器、食品など)に特化した経験を持つ委託先は、その分野特有の課題やニーズに精通しているため、より効果的なソリューションを提供できる可能性があります。
また、ティーチングだけでなく、システム全体の設計や導入、運用保守まで一貫してサポートできる委託先は、プロジェクト全体をスムーズに進めるうえで大きなメリットとなります。実績として、過去に手がけたプロジェクトの内容、種類、規模などを参考に、自社が求める要件と合致するかどうかを判断することが重要です。
対応ロボットの種類、メーカー
ロボットティーチングは、機種ごとに異なる専門知識や技術が必要になります。各メーカーのロボットは、それぞれ独自のプログラミング言語やインターフェース、制御システムを採用しているため、特定のメーカーのロボットに精通した技術者でなければ、適切なティーチングを行うことができません。
委託先が自社で使用するロボットの機種に対応できるか、あるいは類似機種のティーチング経験があるかを確認しましょう。幅広いメーカーや機種に対応している委託先は、それだけ多くの経験とノウハウを蓄積している可能性が高いです。
また、最新のロボット技術や制御システムにも精通しているかどうかも確認しておきましょう。ロボット技術は常に進化しており、新しい機種や機能が次々と登場しています。最新の技術に対応できる委託先は、より高度なティーチングやシステム構築が可能になります。
費用と納期
費用と納期は、プロジェクト全体を左右する重要な要素です。ティーチング作業の費用は、ロボットの種類や作業内容、必要な精度などによって大きく異なります。
また、システム全体の設計や導入、運用保守まで含めた費用についても、事前に明確にしておく必要があります。
費用が安いからといって、安易に決定してしまうと、期待した成果が得られないばかりか、ロボットの性能を十分に引き出せない可能性もあります。見積もりの内訳を詳しく確認し、ティーチング内容やサポート体制、アフターフォローなど、費用対効果をしっかりと見極めることが重要です。
納期についても、自社のスケジュールと照らし合わせて無理のない計画であるかを確認しましょう。余裕を持ったスケジュールを立て、委託先と綿密に連携を取りながら進めることが重要です。
コミュニケーション能力
円滑なコミュニケーションはプロジェクト成功の鍵です。ロボットティーチングは委託先との綿密な連携が必要となるため、担当者のコミュニケーション能力は重要な選定基準となります。
連絡が迅速かつ丁寧であるか、質問や要望に対して適切な対応をしてくれるか、などを確認しましょう。良好なコミュニケーションは、作業の進捗管理やトラブル発生時の対応をスムーズにします。
また、技術的な内容をわかりやすく説明してくれるか、具体的な事例を交えながら提案してくれるかなども確認するとよいでしょう。コミュニケーション能力が高い担当者であれば、認識の齟齬を防ぎ、スムーズなプロジェクト進行が期待できます。
定期的な進捗報告や綿密な打ち合わせを実施し、常に情報共有を図れるような体制が整っている委託先を選びましょう。
ロボットティーチング委託で失敗しないためのコミュニケーションのポイント
ロボットティーチングを専門会社に委託する際、技術力だけでなく「コミュニケーションの取り方」も成功の大きなカギです。依頼内容や現場の状況を正確に伝えられなければ、仕上がりにズレが生じてしまいます。
効果的なコミュニケーションのポイントは以下のとおりです。
・定期的な進捗報告を求める
・不明点は早めに確認し、認識のズレを防ぐ
・現場の状況や要望を細かく伝えるため、写真や動画を活用する
・双方の担当者が直接やり取りできる体制を整える
これらを意識することで、委託先との信頼関係が深まり、トラブルの予防や効率的な作業進行が可能になります。コミュニケーションが良好な委託先は、急な仕様変更や問題にも柔軟に対応するため安心です。
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